2018年7月19日木曜日

Agency

僕はハワイで撮影関係の仕事をしています。過去にドイツの映画、ロサンゼルスからのクルーが仕切ってるアメリカの某企業のコマーシャルなどには参加した事がありますが、仕事の殆どは日本の映画やコマーシャルの撮影です。そして特にこの10年は「美術」のほうをメインで頑張ってるのですが、 先日初めて、ハワイのスタッフによるハワイ企業のコマーシャル撮影現場に美術として参加しました。

半分以上は初めて会うスタッフでしたが、普段、日本の撮影現場で会ってる現地スタッフも数人いて、実に和気あいあいとしたいい雰囲気。撮影自体は普段やってる日本の現場とさほど違いはありませんが。びっくりしたのが代理店の動き。日本のコマーシャル撮影現場で目の当たりにする日本の代理店とはまったく違うものでした。

撮影の現場に詳しくない人も居ると思うので簡単に説明しますが、コマーシャル撮影の現場で一番大事にされるのはクライアントさんです。タレントよりもクライアントさんのほうが上にいます。当たり前です。撮影にかかるお金全てを出資してるのですから。

クライアントに一番近いのは広告代理店です。代理店の仕事はテレビ局など、広告を掲載するメディア(雑誌、ウェブ)と広告を出したい企業をつなげる事。なので、代理店にとってクライアントさんは大事なお客様なのです。代理店は撮影前にクライアントと何度も打ち合わせをし、マーケットのリサーチから、撮影するコマーシャルの方向性など、クライアントに様々な提案をします。

しかし、実際に撮影が始まると、現場はディレクターが絵コンテを元に撮影を進めて行きます。なので撮影現場では、代理店とクライアントは一番居心地のいいところで撮影されてる映像をモニターで見てるのが通常です。ハワイでの撮影に関して言わせていただくと、滞在中、代理店はクライアントのケアがメインであり、撮影後の買い物、朝ごはんやディナーのリクエストなどに対応し、滞在中は事細かに気を配ります。

ところが!今回僕が参加したハワイ・ローカルの現場に居た代理店さんは、常にディレクターの横でモニターをチェックし、モデルの動きはもちろん、セリフの言い回しから、オッケーテイクの判断、僕が用意した小道具に対しても、どれを使うべきか細かく指示し、例えるならエグゼクティブ・ディレクターのような感じでした。

この日はなんとか僕の持って来た小道具で事足りましたが、今後ハワイの現場に出る時は、ロケハンでディレクターと方向性を確認してても、ロケハンに来てない代理店が現場で事前に打ち合わせしてた方向と違う方向性の物を求めてくる可能性がある事を踏まえ、探偵並みの推理力で、実際に現場に持ち込む小道具のバリエーションを広げなければと思いました。




しかし、老いた脳のキャパシティーは既にレッドゾーン。昨日自分が何を食べたかも思い出せない。ちょっぴり不安です~

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