もう2ヶ月近く前の話になりますが、去年の年末、
日本に滞在してた時、一本のギターを手に入れました。
ギターは広島で売りに出されてたので
広島迄わざわざ行かない限り試奏は不可能。
ギターを買う際、僕は必ず試奏するので、
試奏せず、ネットに掲載されてた写真のみを見ての購入は
少し怖かったですが、ギターは40年前のギターであり、
又、良い状態の物は滅多にマーケットに出て来ない。
なので思い切って日本に住む友人に購入してもらい、
前回僕が日本に帰った際、受けとりました。
過去に同じギターを所有した事もないし、弾いた事もありません。
試奏せずに購入したので、使える状態の物なのかさえ分からない状態でした。
ギターはグレコのM600 (ミラージュ)というモデル。
ケースを開けると、小さい傷などはあるものの、
40年前のギターにしては綺麗。
簡単にチューニングして弾いてみたのですが、
10年以上放置されてたみたいで、
すぐにチューニングが狂う。更にテンションが少しキツイ。
しかし、その独特な形は、座って弾いた時、
驚く位ピッタリと体にフィットする。
奇抜なデザインは、見かけのみならず、実際の演奏部分での事も考えて
デザインされたのだと感じました。
ボディーはストラトキャスターよりは薄めで、軽いものいいです。
ケースには購入した当時の保証書にが入ってて、
購入日昭和54年7月18日との記載があります。
当時のハンドブックもありました。
中身はギターの調整方法などが写真と共に解りやすく掲載されています。
驚いたのはこれ↓
ヘッドマシンと書いてあるけどマシンヘッドが正解なのでは?!
ペグの回転強度を調整出来る当時としては画期的なアイテムだったのでしょう。
それに伴う工具もそのままケースに残っていました。
数日、滞在してた部屋でいじってたのですが、
長い間放置されてたようなので、結局は渋谷の楽器屋に持ち込み
基本的なセットアップをしてもらう事にしました。
お願いしたのは下記の4点
1。チューニングが合うようにしてほしい。
2。テンションを少し和らげてほしい。
3。ネック調整
4。オクターブ調整
4日後にギターを取りに行くと、びっくりするほど鳴るようになってた。
チューニングも狂わない。さすがプロのギターテク!
ただテンションがまだ若干キツイ。特にハイポジション。
調整してくれたテクニシャンの方から
「テンションに関してですが、テールピースを上げ下げ出来ない構造なので、
テンションを和らげる為に弦高を少し下げました。
もしこれ以上テンションを緩めたいのなら
弦のゲージを軽くするか、チューニングを半音落とすしかありません」
と説明された。
う〜〜〜ん、なるほど。弦のゲージは変えたくないから
今後も気になるようなら、半音下げで使用するのがいいかも〜。
1週間後、ギターをハワイに持ち帰り、そこで初めてアンプに繋ぎ
音を出したのですが、音は残念ながらイマイチでした~。
ピックアップに全然パワーがないのです。
それとボディーが薄いせいか、ミドルレンジが
殆どで、ボトムが全然出ない。
このギターはM600と言って、シリーズの中では
一番安かったモデル。もっとグレードの高いモデルには
ディマジオのピックアップが標準装備されていたようです。
次回日本に帰った際には古いディマジオのピックアップを
探してみようかなと思っています
それにしてもこの形をデザインした人は天才だと思う。
それまでに市場に出てたギターとは全く違うし
奇抜なデザインなんだけど奇抜感がなく
とても自然なボディラインは世界レベルの芸術だと思います。
座って弾いた際に思ったのは
ツノの部分が膝の上に休まり、凄く安定するのは
エクスプローラーもこうなのだろうか?です。
僕は一度もエクスプローラーを弾いた事がないのですが
ツノの部分はエクスプローラーのツノ部分を
変化させてデザインを仕上げたのではないか、、、
40年前に制作されてこのギターを手に取ると、
当時国内から世界へ羽ばたこうとする
日本の楽器屋のスピリットを感じる事が出来ますね。
それでは皆さまアロ〜ハ