2018年2月3日土曜日

日本のサービス

数年に一度、日本へ行きます。その度に思うのが、接客サービスのレベルが高い事です。スーパーやコンビニはもちろん、駅での駅員さんの敏速な対応、みどりの窓口での丁寧な説明とサービスの速さには、毎回日本を訪れるたびに感心します。ハワイでは経験出来ないハイレベルの接客ですが、これは従業員一人一人の仕事に対する「志」がハワイで働く人達よりは遥かに高いからだと思うのです。

少し極端な言い方ですが、ハワイの人達(全てのアメリカ人含む)のほとんどは、雇用してもらってる会社に対しての忠誠心を持っていません。例えば高級ホテルで良いポジションの仕事してても、別のホテルからもっと良い条件をもらえれば、迷わずそっちに移動します。アメリカ人からすればこれは単なる人生のステップアップであり、家族、又は自分の生活が向上するなら、願ったり叶ったりであり、義理、人情などは二の次なのです。

また、日本では、接客サービスのレベルを決める上で「早さ」が一つ大事な要素になってるように思えますが、この「早さ」がハワイにはありません。ハワイで買い物をし、レジで日本の倍以上時間がかかる経験をされた方は沢山いるのではないでしょうか?

我が家から歩いて10分のところにSafeway(セイフウェイ)という全米チェーンのスーパーがあります。ここにはレジのレーンが20台近くあるにもかかわらず、どんなに混んでても4つくらいしか開いていません。しかもレジ打ちの動きが遅~い。レジ打ちのバイトがレジの数ほど居ないのが原因だと思うのですが、それらを考えずに店のレイアウトを作ったのでしょうか?

サービスにスピード感がないのは、ハワイに住む人たちに元々のスピード感が備わっていないのもその原因だと思います。東京を久しぶりに訪れると、僕は人々の歩く速度が早い事に気がつきます。これは「街のリズム」だと思うのです。人で溢れる駅構内で、誰にもぶつからないで歩くのは、何度もリハーサルした映画のワンシーンのようでもあります。毎回、スーツケースを持ってその中に入る際には、僕は一呼吸おき、リズムを掴んでから、飛び込みます。このような生活環境が元々ないハワイの人たちは、もっとゆっくりとした生活リズムを持ってるのです。

日本人はパートやアルバイトでも、会社を代表してる意識を少なからず持ち合わせ、社員に至っては残業代も出ないのに、自身や家族との時間を無償で会社捧げます(サービス残業というのでしょうか?)。こういう意識が先月書いた「高橋まつりさん」の事件に繋がるのかもしれませんが、「サービス残業」という不思議な物は当然アメリカには存在しませんし、アメリカ人の考えは「会社が従業員にサービスするのならともかく、なぜ従業員が会社にサービスしないといけないのだ?」ではないでしょうか。

アメリカでは大きな会社になると、従業員は組合を作り、会社に対しての要望(賃上げや労働条件の改善)を個々ではなく、組合として交渉します。理由はそのほうが圧倒的に有利に事を進める事が出来るからであり、ワイキキのホテルでも、時々、従業員がストを起こし、大勢がホテルの前を行ったり来たりしてるのを見かけます。ストライキを起こすのは大抵末端の従業員なので、ホテルの場合はハウスキーピング(部屋の掃除をする従業員で、殆どが英語の喋れないフィリピン人女性)の人達がストライキを起こします。彼ら(ハウスキーパー・客室係)がストライキを起こす事により、部屋を掃除できないので、ホテルは大混乱に陥るのです。しかし、ハワイでストライキを起こす人達の主張は「状況を改善しない会社が悪いからストライキを起こした。悪いのは会社である」なのです。

少し脱線しましたが、日本のサービスとアメリカの違いを簡単にまとめるとこうなると思います。

日本=サービスレベルが全体的に高い。そしてどんな客に対しても腰が低い。この世界一のサービスを日本人は当たり前だと思ってる。

アメリカ=払った分のサービスしかもらえない、丁重なサービスを受けれるのは基本ファーストクラスのみ。そうです、アメリカで、お金さえ払えば、良いサービスを受ける事が出来ます。日本との最大の違いはココで、日本では一番安いサービスを買っても、そこそこのサービスが受ける事が出来る。残念ながらアメリカでは安いサービスを購入したら、それに伴うサービスしか受けれません。

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