2018年9月23日日曜日

著作権

ハワイ、そして日本でも26年間フラダンスを指導されてるクム・フラ(フラダンスの先生)Kapu Kinimaka-Alquiza (カプ・キニマカ。アルクイーザ)さんは、自身が教えた振り付けを、自分が辞めた後も教え続けていた九州ハワイアン協会を著作権の無断使用で訴え、9月20日大阪地方裁判所で勝訴しました。

九州ハワイアン協会を訴えたカプ・キニマカ。アルクイーザさんが自身で考えた振り付けを著作権登録してたという記述はどこにも見受けられませんでした。著作権侵害というのは、著作権登録をしてなくても起きるのでしょうか?

カプ・キニマカ。アルクイーザさんが26年間無償でフラを教えてたとは思えないのです。ちゃんとクム(講師)として報酬をもらってたと思うのです。彼女がどういう理由で九州ハワイアン協会を去ったのかは判りませんが、自分が26年間教えた踊りを、自分が辞めたら教えてはならないと言うのは、それまでの教えが無駄になってしまうばかりか、クムとしても人間が小さい気がする。そこまで言うなら、その記述を契約書に入れてから関係をスタートすべきでだったのではないでしょうか。

毎年ハワイ島で開催されるメリーモナーク(フラの祭典)のテレビ中継を見てても、僕には各ダンサーの踊りの違いが判りません。著作権として認識される独創性というのはド素人が見ても判る、明らかに他と違う独特の動きではなく、玄人の目じゃないと解らないものなのでしょうか?

エレキギターの世界で例えると、エディー・ヴァン・ヘイレンの登場でそれまで無かった、ストラトキャスターのボディーにハムバッカーを載せたギターが登場し、今では一つのモデルとして認知されています。しかし、エディー・ヴァン・ヘイレンはそれに対し著作権侵害で裁判を起こした事はありません。それは自分が一から新しい物を考案したのではなく、それまでに存在してた物を新しく組み合わせただけだからだと思うのです。

今回のこの訴訟も、僕には同じように思えるのです。何百年の歴史のあるフラ。全く新しい物なんて早々出てこない。それを「振り付けに個性が表現されてる」と判断した日本の裁判官は、どこまでフラに関する知識があったのか知りたい。

裁判を起こした理由は単純で、それまで友好関係だったカプ・キニマカ。アルクイーザさんと九州ハワイアン協会の関係がなんらかの理由で壊れ、そこに憎しみが生まれたからではないではないかと僕は考えます。



余談ですが近年日本のフラ・ブームも手伝ってか、日本でハワイのクムフラが持ち上げすぎられてるようにも思えます。言い方は極端だけど先生様扱いされてるのは目に余る。

勝訴後のインタビューでカプ・キニマカ。アルクイザさんは九州ハワイアン協会の行為について「文化への冒涜だ」と語った。

しかし、文化は継承されなければ消えてなくなる。伝えて、受け継がれて行く事が文化の伝承と保存ではないでしょうか。

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